身体に大きな影響が出ることも
心身に様々な影響を与える
大きなストレスはこころと身体に様々な影響を与えます。ストレスが原因となって発症する病気も少なくないため、上手に対処していかなければなりません。ストレスが原因となる症状として代表的なのは「頭痛」です。頭痛には片頭痛と緊張型頭痛がありますが、どちらもストレスの影響を受けます。首から肩にかけての筋肉が緊張することによって発症する緊張型頭痛は、特にストレスの影響を受けやすいといわれています。また、「めまい」もストレスが関係しています。「ぜんそく」や「アトピー」などのアレルギー、「心臓病」「高血圧」「胃痛」「下痢・便秘」「更年期障害」などもストレスにより発症・悪化する可能性があります。
こころに関連するものだと、「うつ病」や「不安障害」が代表的な病気として挙げられます。ストレスがかかりすぎたことで脳に異常が起こり、心身を蝕んでいくのです。現代はストレス社会と呼ばれるほど、日頃から多くのストレスに囲まれて生活しています。そのため、早め早めにストレスに対処していかなければなりません。
うつ病で自殺する人も多い
内閣の調査によると、2012年の時点で自殺者は2万5000人を超えています。1998年以降は3万人を超えていたため、過去と比較すると減少傾向にありますが、世界的に見れば非常に大きな数字です。自殺の原因は、ストレスによるうつ病であることが多いです。長期的に大きなストレスにさらされることでうつ病を発症します。うつ病は、こころと身体に異変をもたらします。
「身近な人に嫌なことをされて耐えられない、死にたい」といった感情は、多くの人が経験したことがあると思います。しかし、実際に行動に移す人は少ないです。ところが、うつ病になると正常な判断ができなくなり、本当に自殺をしてしまいます。「嫌がらせをされるのは自分が悪い」「自分は生きている意味がない」「死んだほうがまし」と、非常に狭い視野で物事を考え、自分を責めてしまう傾向があります。このようにならないためには、自分の感情に「今は」という言葉を足す工夫が必要です。「(今は)死んだほうがまし」とすることで、「でも、時間が経てば状況は変わるかもしれない」と考えることができます。ある程度の距離感を持って物事を捉えられるようになれば、こころにも余裕が生まれます。
しかし、こういった工夫だけで乗り越えられない場合もあるでしょう。目に見える形で身体に異変が現れるかもしれません。その場合は、自分だけで抱え込むようなことはせず、周りに相談しましょう。その窓口として機能するのが精神科などの医療機関です。