メンタルヘルスカウンセラー
メンタルヘルスケア
厚生労働省が2021年に実施した調査によると、働く人の約半数が「仕事に関する強いストレスを感じている」とのことです。ストレスによる心身の不調は、企業にとって無視できない問題です。そのため近年では、従業員の心の健康維持・促進や職場の生産力・活力の向上などを目的とした、「メンタルヘルスケア」に注力する企業が増えています。
産業看護師として企業で活動する場合、従業員のメンタルヘルスケアは重要な仕事です。判断を間違えると従業員がメンタルヘルス不調に陥ったり、最悪の場合離職や自殺にまで追いつめられる可能性があります。
そのためメンタルヘルスケアに関わる看護師は、適切な知識やスキルを有している必要があります。メンタルヘルスケアのエキスパートになるために役立つ資格が、EAPメンタルヘルスカウンセラーです。
メンタルヘルスカウンセラーとは
メンタルヘルスカウンセラーは、カウンセリングによってストレスを抱える人の心身に寄りそい、悩みや問題を改善・解決するためのサポートを行います。
相談者が抱える悩みや不安は、一人ひとり異なります。そのためメンタルヘルスカウンセラーは相談者の話をしっかりと聞き、適切なサポートが何か判断する必要があるのです。メンタルヘルスカウンセラーに必要なスキルは、相談者の悩みを理解するカウンセリングスキル・相談者の悩みを明確にするアセスメントスキル・問題を改善・解決に導くスキルです。こうしたスキルは、メンタルヘルスカウンセラーの認定講座を受講することで取得できます。
なお、相談者個人だけでなく組織の根本的な問題にもアプローチするのが、EAPメンタルヘルスカウンセラーです。EAPメンタルヘルスカウンセラーは、職場の環境改善に向けた幅広い支援が行えます。資格を取得しておくと、大きな武器になるでしょう。
メンタルヘルスカウンセラーと心理カウンセラーの違い
メンタルヘルスカウンセラーによく似た職業として、心理カウンセラーが挙げられます。両者の違いは、習得するスキルの内容とカウンセリングの対象者です。
心理療法やセラピーを中心に学ぶ心理カウンセラーに対し、メンタルヘルスカウンセラーは職場の中で起こる問題への具体的対応方法を学びます。
心理カウンセラーは主に個人を対象としますが、メンタルヘルスカウンセラーの対象は企業そのものです。従業員のカウンセリングはもちろん、ハラスメントへの助言やメンタルヘルス研修の実施などに幅広く対応する必要があります。